インタビュー
「株式会社MURATA」

代表取締役 村田 豊

今後思い描く夢

では次に、今後社長が思い描く、事業なのか、目標なのか、野望なのか、どのような形でも結構ですが、夢をお聞かせいただけますでしょうか。

 そうですね。
まず会社としては、私ももうすぐ50歳になるのですが、独立したのが29歳の頃で、一緒に働いている長男が今ちょうど29歳なんですね。だから、できるだけ早く彼にも代表者としての経験をしてもらって、しっかりとした責任感をもってもらいたい、という思いがあって、全社員に私は55歳で社長を引退します、という話をさせてもらっています。

 なぜそうするかというと、やはり私がいつどうなるかというのは誰にも分かりませんし、しっかりと私が引退する期日を決めてあげれば、彼らもそれに向かってしっかりと自分なりに勉強したりとか、頑張ってこうやらなくちゃっていう責任感とかですね。それを植え付けてもらいたいなということで、長男がちょうど35歳の時に私は代表外に出て、会長職になろうかなと思っています。

 その中で、私としては、5年後10年後は板金屋さんが担い手不足で廃業していく状況になるともう分かっているんですけど、とはいっても、やはりこの板金業界という存在はすごく重要なポジションにいることも確かなので、何とかですね、業界をもっと活性化させるための活動というものをしっかりとしていきたいなという風に思っています。
ですので、私が経営を引退して時間が空けば、そっち方面にシフトしていけたらなと、思い描いています。

経営は息子さんにお任せして、会長として経営をサポートしながら、業界の発展と社会の発展に役割を果たされる未来ですね。

 専務も弟も、息子の代になっても息子をサポートすると言っていただけているので、まだまだ全然未熟ですけど、少しずつの責任感というか周りを見る、周りの気持ちを考えられる代表に育っていってくれればなっていう感じですね。

専務は、元々この業界の方でなかったのに、今は社長のサポートを、その先は息子さんのサポートという形で、ありがたい存在いですね。

 彼は35歳の時に板金業界に入って、人一倍努力をして技術を少しずつ習得してきた男なので、もしかすると私よりも従業員の信頼度は高いかも知れないです。
私と同級生なので、35歳からの50歳までずっと努力がしてる背中を従業員が見ていて、専務だったら僕もついていきます、という流れになっている。

最近でこそ、リスキリングという言葉をよく耳にしますが、未経験でも年齢がいってこの業界に入っても、努力すれば一つの大きな信頼を得る技術を身に付けることができるという意味では、面白い業界ですね。

長時間ありがとうございまました。では最後に、これからこの業界に興味を持って門戸を叩こうかなという方に向けて、一言メッセージいただけますでしょうか。

 そうですね。
私は、誰しもが「できない」ことはない、といつも思っているんですよ。
やりたいことがあっても、きっかけとなることがないとか、なかなか踏み出せないとか、あるかも知れませんが、「できない」ことはないのに「やらない」で悔いが残るぐらいなら、やって失敗した方がいいなと思っている。

 一度きりの人生ですので、いろいろなチャレンジをして、順風満帆ではないかもしれません、大変なこともいっぱいあるかもしれませんが、しっかりと進んでいってもらいたいなと思います。

今回は、茨城県水戸市の株式会社MURATA 村田社長にお話をお伺いしました。
ありがとうございました。

株式会社MURATA 代表取締役 村田 豊(写真中央)とスタッフの方たち
雨漏り工事専門の建築板金業を手がける村田社長。社員の働きがいについて社長が共に悩み、考えていくことで会社に結束が生まれ、方針や体制が固まっていくと考える。顧客の不安を受け止め、最後まで仕事を成し遂げる心構えを持って仕事に望んでいる村田代表。今後は、夢に向かって研鑽を重ねる社員を受け止められる、誇りある「ナンバーワン」企業を目指していく。

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